ピープル

Rapidusがどのように米国や他の国の顧客をサポートしているか、そしてなぜRapidusが成功するのか。最高の瞬間はこれから訪れる!

2024年4月、半導体業界のベテラン経営者であるアンリ・リシャール氏が引退から復帰し、Rapidusの米国子会社であるRapidus Design Solutions(RDS)のリーダーに就任し、顧客やパートナーをサポートすることになりました。日本の半導体産業を再び活性化させる一方で、最先端ノードの生産能力を新しい国にもたらすことができるというのは、断るには惜しい機会でした。
シリコンバレーに拠点を設立して以来、RDSは顧客候補の先端半導体ニーズに取り組むと同時に、EDAや設計分野の大手企業との新しいパートナーシップを構築してきました。
私たちは、RDSゼネラルマネージャー兼社長のアンリ・リシャール氏に、Rapidusに加わるために引退から復帰した理由、シリコンバレーにおける拠点、Rapidusがパートナーや顧客と行っている取り組み、そしてなぜ当社のファウンドリが成功すると考えているのかについて話を伺いました。

キャリアの歩みとRapidusに加わる決断

―― テクノロジー業界で30年以上の豊富な経験をお持ちですが、Rapidusに加わることになった経緯を教えていただけますか?

私はこの業界に30年以上身を置いてきました。引退していたとはいえ、このAIの波によってどれほど急速に変化しているかを注視していました。[Rapidus CEO]小池さんが再び私に連絡を取り、Rapidusの機会について詳しく説明してくれたとき、私はすぐに熱意を抱きました。なぜなら、第一に、それは業界で起きている根本的な変化に応えるものだからです。
第二に、サンディスクで小池さんと一緒に働いた経験から、Rapidusが世界トップレベルの実行力を持つことを確信しました。これは一生に一度の機会です。かつて半導体業界席巻していた日本の巨大な産業コンプレックスが衰退し、いま再び最先端で復活しようとしている。このような機会に「ノー」と言えるでしょうか?

―― 米国の大手テクノロジー企業での経験と比べて、日本発の最先端半導体プロジェクトであるRapidusに関わる意義や独自性をどのように見ていますか?

Rapidusは特にユニークです。それは、日本の伝統的な価値観 ― 品質、実行力、信頼性 ― をすべて体現する一方で、小池さんは真の国際的なマインドセットを持つ稀有な経営者だからです。実際、この話をもらった当初から、我々は国際企業でなければならないと非常にはっきり言われました。
したがって、私にとって、日本が世界に提供できるすべてのものと、シリコンバレーを拠点とする国際的なマインドセットの組み合わせを見るのは本当にエキサイティングです。

米国企業との会話における反応

――シリコンバレーの大手テクノロジー企業がRapidusの設立や使命を初めて聞いたとき、反応はどうでしたか? そしてそれはどのように変化しましたか?

基本的には3種類の反応があると思います。第一に、そしておそらく最も重要なのは「希望」です。顧客は私たちが成功することを本当に、本当に望んでいます。この点については後ほど詳しく話しますが、Rapidusのような会社が必要とされる理由は数多くあります。
第二に、「驚き」です。これはしばらくの間秘密にされていたためです。そして私たちがついに市場に現れたとき、人々はRapidusを予想していませんでした。
最後に、少しの「疑念」です。なぜなら、誰もが最先端で活動するのが非常に困難であることを認識しているからです。したがって顧客は、私たちがこの壮大な計画を実行できるかどうかを見極めようとしています。
「疑念」に関して言えば、幸運なことに、日本に伝統的な実行品質があるおかげで、私たちは基本的にこれまですべてのマイルストーンを達成してきています。したがって、新しいマイルストーンを達成するごとに、顧客はRapidusが成功するというビジョンに対して、より安心感を持つようになっています。

――米国の潜在顧客が、Rapidusの取り組みの中で特に印象的、または興味深いと感じていることは何ですか?

もちろん、IIMの最も基本的な特徴である全枚葉式プロセスの概念です。これは間違いなく大きな関心、多くの質問、そして多くの興奮を生み出しています。
迅速なターンアラウンドタイムは、特にAIの世界においては多くのスタートアップが市場投入までの時間を競っているため、非常に有益です。また、Rapidusのフロントエンドとバックエンドのプロセスを統合するという概念も新ししいものであり、半導体開発が進化する中で私たちが提供する非常に重要な価値となります。

―― 既存のファウンドリと比較した場合、米国の潜在顧客にとってRapidusの差別化要素は何でしょうか?

半導体業界が現在認識している課題こそが、Rapidusへの期待を生み出しています。第一に、地理的多様化です。特に先端ノードにおいては、単一のプレーヤーに高い集中が存在します。顧客は代替手段を探しています。

さらに異なるビジネスモデル ― 顧客が新しいAIツールを活用してチップをより早く開発できるようにする、より協働的なモデル ― です。最後に、先ほど述べたように、フロントエンドとバックエンドのプロセスを結び付け、既存技術を設計・強化するという点です。これら2つの世界は、これまではやや分離していました。一方はナノメートルの世界であり、もう一方はミクロンの世界です。しかし、チップ設計者が直面する最も困難な問題を解決するためには、この2つが非常に緊密に相互作用する必要があります。これらの要素によって、顧客はRapidusが特別な存在であると考えてくれています。

Rapidusへの期待

―― 米国のテクノロジー企業が先端ファウンドリパートナーに求めている具体的な価値は何ですか? コスト、スピード、技術、経済安全保障のうち、どの側面が優先されますか?

当然のことながら、顧客ごとに異なるアプローチや優先順位があります。私は、性能が依然として非常に重要だと考えます。なぜなら、私たちは先端ノードにいるからです。性能に関しては妥協の余地はほとんどありません。

地理的多様化も確かに大きな要素ですが、それ自体では十分ではありません。私は、将来のパートナーシップにおいて最も興味深い要素の一つは、我々が「白紙の状態」から始める幸運を得たことだと信じています。IIMは従来のファウンドリではありません。Rapidusは顧客に対して、地理、ノードサイズ、あるいはコストを超越するレベルの革新と革新スピードを可能にします。

――サプライチェーン多様化の観点から、米国企業はRapidusをどのように見ていますか?

これは毎週のように進化しているテーマだと言えるでしょう。最近では、地政学に関するニュースが非常に多く報じられています。

当初、顧客は主に、先端技術にアクセスする様々な手段を探していました。日本は米国の伝統的なパートナーであり、非常に興味深い選択肢と見られています。これは今後数年間にわたって進化し続ける状況です。私は、自分たちが量産を開始する頃には、米国および海外で我々の技術に対する大きな需要があると確信しています。

現在のビジョンと目標

―― シリコンバレーにおけるRapidusの長期的なビジョンは何ですか? またRapidus Design Solutionsはこの成長にどのように貢献する計画ですか?

RDSの役割は、第一にRapidusの顧客を支援することです。しかし興味深いのは、顧客のニーズと期待が進化していることです。我々は、新しい種類の企業を目にしています。特にAI分野では、ビジネスプランを実行するために半導体を必要としていますが、彼らは半導体の専門家になることには関心がありません。

こうした企業にとって、ファウンドリパートナーとのパートナーシップは、製造だけでなく、設計サイクルや設計の進化もオーケストレーションすることを求めています。私は、シリコンバレーの顧客が今後数年間で求めるパートナーシップの深さはまったく異なり、非常に速いペースで進化すると信じています。

その結果、RDSの役割も進化するでしょう。私は、RDSを従来型のサポート組織としてだけではなく、顧客がより迅速に問題を解決できる豊かなエコシステムを作り出す存在として見ています。

――Rapidusの希望と使命について多く話しましたが、市場に実際に登場するのはいつだと考えますか?

明らかなことですが、私たちが「輝かしい新しいプロジェクト」から「顧客にとっての現実」へと移行するために必要なのは、市場において高品質で、高性能、かつ適正なコストを持つ一つのチップです。我々は計画を実行してきており、その時期は2027年中に予定されています。

――世界の読者に向けてどのようなメッセージがありますか?

Rapidusに注目していてください。私たちは非常に速いスピードでユニークなことを行っています。それがこの会社の名前の由来です。この業界のほぼすべての人々、そして大胆に言えば競合他社さえも、我々の成功を望んでいます。したがって、最高の瞬間はこれから訪れるのです。

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